【芸能】炎上が止まらないメンタリストDaiGo氏。このまま破滅へと向かうのか?

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現在、動画配信や本の執筆などマルチに活躍しているメンタリストDaiGo氏であるが、YouTubeでのヘイト発言がきっかけとなった炎上が止まらない。今回は、その炎上騒動について考えてみる。

炎上の経緯とは?

YouTube Liveの質疑応答

事の発端は登録者数240万人を超えるYouTubeチャンネルにて起こった。"メンタリスト"と名乗っているように心理学に精通し、数多くの論文や本から得た知識が飛び出す質疑応答が人気となっていた。その回は【辛口】質疑応答と称して厳しい口調で悩み相談に乗るものであった。そこで、質問に対して持論を述べ、

僕は生活保護の人たちに、なんだろう、お金を払うために税金を納めているんじゃないからね。生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救ってほしいと僕は思うんで。生活保護の人が生きてても僕は別に得しないけどさ。猫は生きてれば得なんで、

生活保護者と猫を比較して、命の重さに違いがあると考えを述べた。また、

自分にとって必要のない命は、僕にとって軽いんで。だからホームレスの命はどうでもいい。

とホームレスについても持論を語った。

釈明動画

ホームレスや生活保護者を社会から抹殺・排除することを示唆する発言は聞くに耐えがたく、Twitterなどを中心に炎上が広がっていった。1本目の動画を出すこととなるが、謝罪ではなく発言内容を釈明するものであった。別の質問者に対する「子どもを持つべきでない人間」などと質疑応答をしていたこともあり、炎上しそうな内容が何個か記憶しているがあくまでエンターテイメントとして辛口に答えたものと釈明した。以前にもTV局の出禁、出身高校への避難など、炎上慣れしている様子で余裕が見られた。

謝罪動画

しかし、1日が経って様子がかなり変わった。批判の声は一向に収まらず、Twitterのトレンド1位を獲得してしまう。それどころか、生活保護の支援団体からの声明などがネットの世界を飛び出してワイドショーで取り上げられる一大ニュースとなってしまった。そこで、ついに謝罪動画を投稿することとなる。今までとは雰囲気が異なり、黒いスーツにネクタイを締め、声をつまらせながら謝罪の弁を述べた。実際に知り合いから生活保護の話を聞いたり、ブログを読んだり生の声を見聞きするなどしたそうだ。自身の発言をヘイトスピーチだと認め、働きたくても働けない人、近しい人が生活保護を受けている人、そしてその人達を支援する人たちへの配慮が足らず申し訳ないと何度も頭を下げた。

仕事への影響

炎上から多くの金銭的な損害が出たのは間違いない。まず、『のむシリカ』という飲料水のCMの自粛が発表された。路上生活者への炊き出しを行うなど、生活困窮者への支援を行ってきた企業とすれば当然の対応なのかもしれない。また、ネット上には

ヘイトスピーチYouTubeでしていいのか?今すぐチャンネルを凍結すべきだ!

という意見が散見された。登録者数240万人を超えるチャンネルが凍結されれば、その影響が計り知れない。しかし、毎日投稿されていた当チャンネルでは、更新がストップしており、動画配信を自粛する中で広告収入の減少が想像される。

DaiGo氏は破滅する?

 メンタリストDaiGo氏の主な活動

数年前にスプーン曲げやババ抜きなどでTVに出演することとなったが、現在はどのような活動をしているのだろうか?

CHECK!

・CMによる広告収入

・YouTbeによるスパチャや広告収入

・本による印税

・Dラボによるサブスクリプション

・株 ・アフィリエイト ・ワイン造り ・Web講演 ・コンサルタント

炎上騒動による破滅?

社会的な制裁は大きかったものの、結論から言うと破滅はしない!と言えるだろう。TVで姿を見ることが少なくなって、ユーチューバーとしての活躍をしているんじゃないか、書店で顔を見るから作家として活動しているんじゃないか、そう思う人もいるかもしれない。しかし、見えてきたのは『優秀な実業家』としての一面だ。広告収入に頼っているのはごく一部で、明言しているだけでも上記のような活動をマルチに行っている。特に、Dラボというサブスクリプション収入がメインである。本人はTV業界の不安定さから精神を病んだ経験を告白しており、他に依存しない形態を模索してきた。はじめはニコニコ動画から始まり、そこから動画配信サービスを自身のプラットフォームでできるように開発したのが、Dラボの前身である『ぬこみこ動画』だ。サーバー代は当然かかるものの、BANをされたり、動画配信の企業が倒産したりする懸念はなく、安定した収入を手にした訳だ。

今後の活動

ヘイトスピーチから社会にマイナスの影響を与えてしまったが、多額の納税のみならず様々な事業から社会にプラスの影響を与えてきたのも事実だ。本人も

例え資産がゼロになっても、もう一度這い上がる自信がある。学んできた知識やここまでの経験は誰にも奪うことはできないからだ。だからこそ、チャンネルを見ている人も学ぶことを続けて欲しい。

と述べていた。DaiGo氏はもともと物理学を専攻しており、試行錯誤・トライ&エラーを信条としている。問題となった、『甘口・辛口』というのも変化をし続ける試みの一つだったに違いない。今回の炎上発言を打ち消すことは難しいがYouTubeを自粛しつつ、また新たな事業などからより社会にプラスの影響を与えてくれることを期待する。

登録者数やCMの降板などはあるが、炎上によって再生数が伸びることやその他の事業を考える限り金銭的な影響は皆無といって差し支えないだろう。

なぜ炎上が収まらない?

 最後になぜここまで鎮火できなかったのか、見えてきた炎上の構造について考えてみる。

広いターゲット層

一見すると生活保護者とホームレスに対する偏見や差別発言に感じるが、潜在的な層に刺さる発言となってしまった。最近のニュースではコロナ報道の中で飲食店の経営の厳しさや、富裕層と貧困層の格差が広がるK字型などを目にする機会が多い。また、実際にボーナスカットになるなど経済上の不安を抱える多くの人にとって目に余る発言に映った。ましてや命の選別、社会からの排除・抹殺を示唆する発言は、そういった人を行動を駆り立てるのに十分であった。

 支援団体の影響力

発言について4団体が反応を示し、声明を出すこととなった。支援団体とすれば、誤解を解くことを使命であるとともに、『社会的注目』が起こっている際には革命を起こすチャンスでもある。誰も知らないものに国からの援助や補助が出るはずがない。しかし、国民の多くが目にし耳にし注目が集まれば政治家は無視することができない。記憶に新しいのは「保育園落ちた日本死ね」という発言から待機児童問題などが社会の問題として露になった。また、支援団体は国からの支援のみならず、活動を応援する人が増えれば寄付金なども増額する。活動を行うにも使命だけでなく、お金がかかるのは当然だ。由々しき事態が発生したからこそ、支援団体は声を大するチャンスなのである。

炎上商法の広域化

『炎上商法』という言葉すら古い言葉なのかもしれないが、その広域化が進んでいることは確かだ。今までは、売名行為であったり、アクセス数が稼げたり、『炎上している本人』に利益が出ることが多かった。しかし、現在では誰もがYouTubeTwitterInstagram、ブログなどアクセス数を稼げば、利益につながる手段がより身近になった。アフィリエイトなどの認知度が上がり、フォロワー数が新たな資産となり、『炎上に参戦』することが自分の知名度を押し上げるチャンスになっているのだ。

マウンティング・ヘイト行動

混乱に乗じてヘイトを助長する人が実際に現れている。確かに、DaiGo氏の発言は許されないものである。世の中には口にするだけで差別だと認定される『差別用語』がある。言葉狩りでは?と思う人もいるかもしれないが、歴史の中でその言葉自体に差別が内包されているものが存在するのだ。しかし、この炎上の中でヘイトを助長したり、差別用語を発信する人が見られた。DaiGo氏の発言を叩くように見せかけて、本人・生活保護者・ホームレスにマウンティングやヘイトスピーチをしているのである。誰かを傷つけるために炎上を利用する人は一定数発生する。

最後に

価値観のアップデートは必須であるが、過去の言動が残り続ける現代の中で、過去の失敗を許さないような風潮がある。オリンピックの様々な降板騒動などでも顕著であった。しかし、過去の失敗を許さない社会の風潮は、日本を蝕むことにはならないだろうか?これらのニュースを見聞きしている子どもは、ミスが許されない完璧主義的な空気をひしひしと感じるであろう。従って、メンタリストDaiGo氏には、新たに価値観をアップデートして、社会に大きなプラスの影響を与えてくれる姿を期待したい。