【不安】ボーナス減の影響はいかに

 仕事納めをして2021年を振り返ると、職場の安心感が人生に与える影響は大きかったのだと感じる1年だと実感します。具体的に言うと、コロナ禍や売上減を理由に、『昇給なしとボーナス減』が言い渡されました。しかし、業績はコロナ禍を理由にしているが、さして変化していない中での発表だったので、職員には不安が広がりました。

減給がもたらした影響3選

1.サービス残業をしない

 経営者は様々な判断を毎日行っていて、職員の生活を守ることや売り上げを上げるために心血を注いでいることだろう。しかし、一つの決定や発言はメッセージ性を持ってしまい、組織の雰囲気が変わることがある。その一つ目が、働き方改革である。自分の職場がサービス残業が蔓延していて、それが当たり前だった。正当な給与が支払われていない状況での減給は衝撃を与えた。「事業者が指示していない仕事」とみなすことで時間外労働代は発生していないと主張できるわけだ。今までそこに文句はなかったが話が変わった。サービス残業長時間労働に目を瞑っていながら「お前たちが成果を出さないから減給は当然だ。」というメッセージを発してしまったわけだ。そうなると、職場の雰囲気がガラッと変わった。なぜ時間外労働にあたらないのか、あたらないのであれば必要性がない業務ということ、そういう価値観が醸成されました。

2.離職者が増加する

 『ブラック職場があなたを殺す』スタンフォード大学ビジネススクール教授のジェフリー・フェファーの本である。その中で、「解雇と雇用不安定性」という章でその影響が述べられている。アメリカの研究では心筋梗塞で死亡した人の中で、解雇を経験したことがある人が70%に上るという。また、自殺に結びついた事例も多いようだ。要するに、雇用の不安は劇的なストレスとなるということだ。考えてみれば当然のようだが、隣の席に座っていた同僚がクビを言い渡され、空席になれば「次は自分の番か、、。」とネガティブな想像をしてしまうだろう。実際に、自分の職場でもそして系列の会社でも離職率が増加した。

3.経営陣の発言力の低下

 最後に経営陣への信頼感について考える。業績が悪化した結果、再び仕事への意識を向上させたり、個々のスキルを向上させたりと対策を講じるのは大切なことである。しかし、それには経営陣と労働者の間での組織力がモノを言う。結論から言うと、業績悪化の原因をすべて労働者に求める際には、信頼感が地に落ちる。誰を採用し、どのような職場環境を整え、将来のビジョンを示すのも経営者の仕事である。どこまで言っても会社の成果は経営者の責任であることは間違いない。某YouTuberの経営者も業績が悪化したときのスピーチで炎上したのも記憶に新しい。それ以来、経営陣と労働者の間で溝が深まった。経営陣の発言力は低下し、ビジョンに共感できない瞬間が増えたと感じる。

 さて、私についても転職活動を始めて、自身の市場価値がどれほどなのか理解しようと思う。調べた結果、「あれ、今の会社良いじゃん。」と思えれば残ればいいことだし、そうでなければ転職をすればいいだけである。ジョブ型雇用や人生100年時代と言われる中、仕事について深く考えてみたい。