言葉のチョイスが深層心理?

 先日、久しぶりに会った知人に「痩せた?ガリガリじゃん。」と一言。まあ、確かに自粛する機会が増えて体重が減ったのは事実ですが、イラっ( ゚Д゚) としたのは言うまでもありませんが、『逆にどうしたらそんなに太れるの?デブじゃんww』と言いたい気持ちを我慢するときに考えていたことを紹介します。無意識に出た言動が、本心(深層心理)なのではないかという話です。

 

 精神分析学で有名なフロイトは、人の意識を氷山に例えました。表面に現れる言動や意識はあくまでごく一部で、海の中に沈んでいる無意識の部分が気づかないうちに影響を及ぼしているというものです。無意識と一言で言っても、遺伝子・生育環境・現環境・人間関係・体調・気分などその構成要素はさまざまです。

 

 ダニエル・カーネマンは「ファスト&スロー」という著書の中で、自動判断する機能をシステム1(速い思考)と呼んで説明をしています。例えば、怒っている人の顔を見た瞬間に、「やべっ!絶対きれてる汗」と判断するようなシステムです。動物に襲われるかもしれない、そういう厳しい環境で生き残ってきた危機察知の本能が、私たちの体の中には確実に残っています。

 しかし、人間に備わっている能力としてシステム1に対して、システム2(遅い思考)があるのではないか、と様々な心理実験で検証されました。例えば、「17×24はいくらでしょうか?」この質問には、少し立ち止まって、もしくは紙を取り出して「408かな」と答えたのではないでしょうか。このような思考を自然と使って、瞬時に判断できなくても、最適な解を引き出して日々の生活を送っているのです。

 

 以上を踏まえると、久しぶりに会って体形を見て「痩せた」と感じること自体は何も不思議なことではありませんね。本能的に痩せた仲間を見れば、病気にかかっているのか、食料にありつけず危険な状態なのか、もしも動物に襲われたら逃げるエネルギーがないのではないか、無意識に心配する機能が備わっているからです。ただ「ガリガリ」については、明らかに見過ごせませんね笑 人にシステム2があるわけですから、言葉のチョイスによって相手がどのような気持ちになるかが想像できるはずです。女性にデブと言えば罰せられる世の中だと分かっていれば、ガリガリと表現すると気分を害する人がいると気づけるはずです。

 

 逆に、今回の出来事で相手の本心に気づけたのでいい経験でした。無意識に出た言動が、本心(深層心理)の可能性があるので皆さんも気をつけましょう!

【悲報】ありがとう!オリンピック開催のおかげ

 社会に出て働きはじめてから「日本ってまだこんなブラックなのか」と衝撃をうけてから数年が経ちました。オリンピックや感染拡大というかつてない特殊な状況で、日本全体が悲しいかな改革が進んだことは間違いありません。

 

【悲報】改革が進んでしまったこと3選

1.差別意識  2.働き方  3.日本政府への見方

 

1.差別意識

 「男女平等指数」で日本は156か国中の120位という不名誉な結果でしたが。オリンピックの開催にあたって、男女問題だけでなくどこが平等さを欠いているのかが明らかになってきました。度重なる女性軽視の言動から始まり、障がい者へのいじめ、そしてホロコーストについて。大人はもちろんのこと、子どもたちにとって世界がどういう価値観を持っているのかに気づかされた瞬間でした。特に子どもたちに伝えたいのは、人をカテゴリーで見るのではなく、「ひとりの個人として相手を見ればいいよ」ということです。そこから、好きになれない人とは適度な距離感をとればいいだけです。

 

2.働き方改革

 最近では、SDGsという言葉をよく聞くようになりましたが、「持続可能な」というキーワードのもと世界が動いています。その目標の中に、働きがいも経済成長もというものが掲げられています。モノもヒトも「使い捨て」ではありません。そして、感染拡大で在宅勤務など例年よりゆとりが生まれたことで仕事について、人生について考える時間が増えました。転職や副業、そして株など「会社に縛られない働き方」がトレンドになっています。実際、働いている会社でもサービス残業長時間労働の見直しが行われました。

 

3.日本政府への見方

 最近の支持率低下をみてわかるように、政府への意識も自然と改革されてしまいました。日本国民への利益の最大化というよりポジショントークをしている様子が散見されました。もちろん、立場によって対応は変わりますし、かつて例のない状況での激務ですので責めるつもりはありません。しかし、国民の目が厳しくなったのは言うまでもありません。オリンピックが開催できて、なぜこれが規制・禁止されるのか?この疑問に答えられる政治家はいないのではないでしょうか。

 

 オリンピックの開催には賛否がたくさんあります。しかし、日本のブラックな部分が明るみに出たのは、見方によれば改革に向かう一歩だったのかもしれません。日本が「ホワイト」な国になることを願っています。